ここに記載されている内容は、薬剤師の方の監修の下、あくまでも一般的なくすりの話です。くすりの服用は必ず医師の指導に従ってください。
薬を服用されている方は、「早くやめたい」と思っている方が多いです。“こころの病“にはお薬も有効なことが多いです。自己判断で急に服用を中止すると、症状の再発など離脱症状が強くなることがあります。いったん服用すると二度と手放せなくなるというものではありません。処方されているお薬をやめたいと思っている方は、医師と相談しゆっくり減らしていってください。
”こころの病”
国際疾病分類第10版(2003年改訂)に最新の分類が記載されていますが、以前と比べてその分類は多様化してきています。まだまだ詳細不明な“こころの病”がたくさんあります。以下に神経症性障害、ストレス関連障害(一部抜粋)を記載します。
神経症性障害,ストレス関連障害 (一部抜粋)
その他の不安障害
強迫性障害<強迫神経症>
重度ストレスへの反応及び適応障害
”こころの病”の原因は未だはっきりとはわかっていませんが、「脳内の神経伝達物質の働きが悪くなっている」と考えられています。”こころの治療薬”はあくまでも症状を緩和するためのものです。医師の診察やカウンセリングと併用することでその効果がありますのでご留意ください。
”こころの治療薬”
(ちょっと難しい話になります)向精神薬は、中枢神経系に作用して、生物の精神活動に何らかの影響を与える薬物の総称で、精神治療薬と精神異常誘発物質に分類されます。この区分は社会的なもので、医学的に明確な境界はありません。“こころの病”に用いられるくすりは「精神治療薬」で、後者の「精神異常誘発物質」は例えば終末医療の疼痛除去に用いられるモルヒネや覚せい剤などが含まれます。
精神治療薬はさらに、抗精神薬、抗うつ薬、抗不安薬に分類されます。ここまでくればちょっと聞き慣れた分類です。よく精神安定剤とか言われますが、抗不安薬を意味する場合が多くあります。また、トランキライザーという別の呼び方があり、その作用の強弱によりメジャートランキライザー、マイナートランキライザーと言われます。
抗不安薬はマイナートランキライザーと呼ばれ、精神疾患に使われる向精神薬の一種です。「弱い安定剤」と言われている様に抗精神病薬と呼ばれるメジャートランキライザーと比べて作用や副作用は弱いくすりです。
このような抗不安薬には、脳神経に作用し、不安(恐怖)・緊張といった症状を緩和させる作用があり、睡眠時の緊張を緩和させる事から睡眠薬として利用される場合もあります。パニック障害、不安障害、ストレス障害(PTSD、急性ストレス障害)など不安をともなう疾患に多く利用されています。また、症状によっては内科などでも処方され、手術の麻酔前に投与されることがあります。
現在、日本国内において一般的に利用される抗不安薬は、ベンゾジアゼピン系(BZ)とチエノジアゼピン系(CZ)に分類されます。
抗うつ薬とは、主としてうつ症状を緩和するくすりです。うつ病、うつ状態、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、ある種の不眠、慢性疼痛などに適用されます。
抗うつ薬は、モノアミン酸化酵素阻害薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、セロトニン-ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取り込み阻害薬があります。
抗精神病薬は、メジャートランキライザーとも呼ばれ、主に統合失調症、躁状態の治療に用いられますが、それ以外にも幅広い精神疾患に使用されます。妄想・幻覚と言った精神症状を軽減したり、脳の興奮状態を抑制させる作用を利用して、抗不安薬では取り除けないような強度の不安や極度のうつ状態、不眠に対する対処薬としても利用される場合もあります。
抗精神病薬は、大きく定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬に分ける事ができます。
非定型抗精神病は、従来の定型抗精神病薬と比較して錐体外路障害・口が渇く・便秘と言った副作用が少なく、統合失調症の陰性症状にも効果が認められる場合があります。いずれにせよ、各々の薬剤の特徴を考え、標的症状の性質と照らし合わせながらエビデンスに基づいた薬剤使用が望まれます。
以下に主な“こころの治療薬”とその適応についてご紹介します。最近はインターネット等で不法に入手可能ですが、“こころの治療薬”は一歩間違えば命に関わる事件を招きます。繰り返しになりますが、くすりは、必ず専門医の診察・指導に従って服用してください。
主な抗不安薬:
短時間作用型
中時間作用型
長時間作用型
超長時間作用型
主な抗うつ薬:
三環系抗うつ薬:第1世代
四環系抗うつ薬:第2世代
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI):第3世代
セロトニン-ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取り込み阻害薬(SNRI)
主な抗精神病薬:
定型抗精神病薬(Typical antipsychotic)
主なブチロフェノン系
主なフェノチアジン系
主なベンズアミド系
その他
非定型抗精神病薬(Atypical antipsychotic)
(参考資料)
こころの治療薬ハンドブック 第4版(星和書店)
おくすり110番:http://www.jah.ne.jp/~kako/
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